1.どうすればいいの?

うつ病の治療には、家族や職場の人達のサポートが必要になります。 そのためには、まずうつ病についての正しい知識を持って接していかなければなりません。 うつ病は「怠け」や「甘え」といった気持ちの問題ではなく、そのように見える症状の病気なのです。 必ず回復すること、休養が必要なこと、よくなったり悪くなったりを繰り返すことなどの認識が不可欠となってきます。 また、うつ病の人に接する際にはいくつかの注意点があります。
2.逆効果になる言葉
[逆効果な言葉]
「頑張れ」と励ますことは逆効果になります。 本人は「頑張りたくても頑張れない」などという励ましの言葉はよけいにうつ病の人を追い込むことにつながってしまいます。 「大丈夫」「治る病気だよ」と、温かく接する事が回復の近道となります。
[逆効果になる行動]
外出や運動を無理にすすめないようにしましょう。 気分転換のためにと、スポーツに誘ったり、旅行や外出に連れ出すことは避けましょう。 それがうつ病の人にとってはかえって苦痛になってしまうので、無理強いはやめましょう。 日常生活に自発性が見え始めたら、少しずつ提案するのがいいでしょう。
3.御家族のサポート
[受診サポート]
ご家族が通院に付き添い、受診に同席しましょう。 医師により多くの情報を正確に伝えるために、できるだけの受診に同席するといいでしょう。 また、医師の説明をうつ病の人と一緒に受けることでうつ病への理解が深まります。
[薬を続けるサポート]
症状がよくなったり薬の副作用に対する不安から、 自己判断で薬の服用をやめてしまう人がいますが、 これではうつ病の回復を遅らせてしまうだけです。 薬の服用を続けるように周囲の人もサポートしてあげてください。
4.決断の補助と負担軽減
[決断の補助]
考えや決断の手助けをしてあげて下さい。 うつ病の人はなかなか決断することができなくなります。 日常生活において「何を着るか」や「料理の献立は何にしようか」などといったことも優柔不断になりがちです。 そんな時は「夕飯は○○にしようか」などと、なるべくこちらから提案するようにしましょう。
[負担軽減]
家事などの日常生活上の負担を減らしましょう。 うつ病の人はまじめで責任感が強いタイプの人が多いものです。 病状が悪くても無理して家事などをしようとします。 なるべく家族の方が家事などを分担して、手伝うようにし本人の負担を軽減するようにしましょう。
5.再発防止と自殺防止
[再発防止]
回復後も再発に注意をしてください。正しい計画のもと休養し、 治療をしたとしてもうつ病は再発する可能性が低くありません。 最初にうつ病を発症したときの状態に似ていたら、すぐ専門医に診断を仰ぐといった迅速な対応が必要になります。
[自殺防止]
自殺には十分に注意してください。死にたいという願望はうつ病の人によくある症状です。 特に治りかけのときに最も注意が必要です。 症状が悪化しているときには死ぬ気力すらないのですが、活動エネルギーが上昇してくると、自殺をする行為に向けられる恐れがあります。