1.睡眠障害ってなに?

睡眠障害とは名前の通り、睡眠に何らかの異常が生じ、睡眠、入眠が困難になる事を指します。 睡眠障害について睡眠障害国際分類(ICSD)では次のように分類しています。
@睡眠異常
A睡眠時随伴症
B内科・精神科的障害に伴う睡眠障害
大きく別けると、この3つに分類されます。そして77の疾患が網羅されています。
2.睡眠異常とは?
睡眠異常とは不眠及び過眠を主な症状とする睡眠障害です。 そして内在因性睡眠障害(ないざいいんせいすいみんしょうがい)、外在因性睡眠障害(がいざいいんせいすいみんしょうがい)、 概日リズム睡眠障害(がいにちりずむすいみんしょうがい)の3つに別けられています。
@内在因性睡眠障害
心理的・又は身体的原因による原発性の睡眠障害です。 この場合、内科的な要因又は精神科的要因がある場合は含まれません。 そして精神生理性不眠(神経性質性不眠)。
ナルコプレシーなどの原発性の過眠症、無呼吸症候群、周期性四肢運動障害(しゅうきせいししうんどうしょうがい)などの症状は医学的治療が必要です。
A外在因性睡眠障害
これは、睡眠環境が悪い場合(騒音、就寝具の不一致など)や薬物やアルコールの使用による睡眠障害など身体以外に原因のある睡眠障害の事です。 これらは外因性要因を取り除くことが解決に繋がります。
B概日リズム睡眠障害
これは体内時計のリズムによるものです。人それぞれによって就寝時間、睡眠時間、起床時間がそれぞれ異なりますよね。 これが何かのきっかけによってリズムバランスが崩れてしまう事による物です。 これは人間が持つ体内時計、一般的には朝起きて夜眠る。 これらが逆転した場合(夜勤、海外渡航など)に生じる(時差症候群、交代勤務性睡眠障害)のが主な原因と考えられています。 そしてこれらが慢性的にずれてしまう(睡眠相前進症候群、睡眠相後退症候群、非24時間型睡眠・覚醒症候群など)があります。
3.睡眠時随伴症とは?
睡眠随伴症とは、覚醒障害、睡眠・覚醒移行障害、通常レム睡眠に伴う睡眠時随伴症、その他の4つに分類されます。
@覚醒障害
これは、睡眠に入ってから起きる事がスムーズに行えない睡眠随伴症を覚醒障害と呼びます。 この中には錯乱性覚醒、睡眠時遊行症、夜驚症(やきょうしょう)が含まれます。
A睡眠・覚醒移行障害
覚醒から睡眠への移行時期、又は睡眠が浅くなったり深くなったりする移行期に発生する睡眠随伴症です。 睡眠中に壁などに頭を打ち付ける症状を伴う律動性運動障害、寝言なども含まれています。
B通常レム睡眠に伴う睡眠随伴症
これは、レム睡眠と関連した睡眠随伴症をまとめたものです。 悪夢を見たり、よく話題になる金縛り、そして夢を見てうなされた時に起こる寝ぼけ行動を示すレム睡眠行動障害などが含まれます。
Cその他の睡眠随伴症
ここに含まれるものとしては、経験のある方も多い歯ぎしりや、睡眠時遺尿症、夜間発作性ジストニア、乳児突然死症候群などが含まれます。
4.内科・精神科的障害に伴う睡眠障害とは?
これは、内科にかかっている場合や、精神科にかかっている場合に伴う睡眠障害です。
@精神障害によるもの
このサイトでも取り上げている様々な精神障害により睡眠が妨げられてしまう事です。 例えばうつ病を伴っている場合などに眠れない症状がでます。 この他にも神経症やアルコール依存などにより睡眠障害になる事が考えられます。
A神経疾患によるもの
神経疾患を伴う場合、睡眠障害や覚醒障害を併発している場合があります。
Bその他の内科的疾患によるもの
これは、内科的な疾患を伴っている場合に睡眠障害を起こす場合です。(重い風邪、喘息など)