1.強迫性障害に気づいたら

この病気は「自分でもわかっている」というのが特徴です。そして「どうしてもやめられない」という強迫観念があります。 その為、御家族の何気ない一言で心を閉ざしてしまう可能性がありますので注意が必要です。 例えば、「気にするからいけないんだよ」とか「そんなことにこだわりすぎ」と言った言葉は使わない用にして下さい。 そして私達家族も心配しているという事を優しい言葉で話しかけて下さい。 例えば、「不安や緊張も多いよね、疲れているように見えるから心配だよ」といった感じで接してみるといいでしょう。
2.診療を受ける為に
まずは診療を受ける為に病院へ行く事を勧めるのですが、ここでも注意しないといけない事があります。 精神科や精神神経科と聞くと「嫌だな、不安だな」といった気持ちが表れる事があります、また行かそうとするのではなく、 行ってみようかなと思わせるようにするのも必要です。 例えば、「一度病院を利用してみてはどう?」と提案するような感じで「利用する」という言葉は安心感を与える事にも繋がると思います。 そして、必ず治る病気だからという事を伝えてあげましょう。
3.強迫性障害と診断されたら
強迫性障害は脳に何らかの問題が生じる病気であり、他の病気と同様に様々な要因が原因となります。 例えば、環境要因であったり、生活習慣によって複雑に作用しあって症状が強くなったり、弱くなったりします。 原因は1つだけとは限らないのです。 「こうだったからこうなったんだ」ではなく「こうなったんだからどうしようか」と治療をどうするのかという所に焦点をおくようにして考えましょう。 絶望感ではなく希望を生むように取り組んでいく事が大切だと思います。
4.家族のサポートその1
御家族の方は患者様が強迫性障害の治療にあせらず取り組めるような環境ができるように工夫してみて下さい。 治療には多くの時間と根気が必要となってくるため、御家族のサポートが回復への近道となります。 「焦らずにゆっくりと1歩1歩取り組んでいこう」と声をかけ支えてあげて下さい。 一緒に生活していてよくなった点を褒めてあげるのも効果的です。 例えば、「治療に取り組んでから着実によくなってきてるよ」などや「毎日毎日大変だけどがんばっているね」などです。 ここで悪い例もあります。 「その調子で早くよくなって」や「もっとがんばっていこう」など患者様を焦らせるのはよくありません。
5.家族のサポートその2
強迫性障害の治療の基本は「焦らずにゆっくりとじっくりと」です。家族は患者様が取り組んでいる事に優しく見守っていくといいでしょう。 しかし、家族が強迫行為を助長してしまうことがあります。 御家族の方は「大変そうだから、辛そうだから、苦しそうだから、手伝おう」と考えてしまうかもしれませんが、 「病気を悪化させてしまう」という事を常に考え、優しい言葉でそれはできないという事を伝えてあげましょう。