1.どんな病気なの?

不安がひどくなり、気にする必要がないと自分でわかっていても気になってしまい頭から離れなくなり、 他の事が手につかない状態を[強迫神経症(強迫性障害)]と言われています。本人自身は馬鹿馬鹿しいと思っているのですがやめられないのが特徴です。 また、自分が細菌に感染してしまうのではないか?という強迫観念から特定のものにさわる事ができなくなってしまいます。 例えば電車のつり革、公衆電話の受話器など。手の皮膚がすり減るほど手を繰り返し洗うなど何度も何度も同じ行動を繰り返してしまいます。
2.どんな症状なの?
[汚染] ・トイレに行った後に手がバイ菌に汚染されていると感じ、何度も手を洗ってしまいます。 ・汚染されていると感じる部屋にあった物が他の部屋に移動すると、その部屋自体も汚染されてしまうと感じるので掃除をしなくてはいけないと感じるスペースが広がります。

[確認行為] ・家を出る時に、ドアの鍵をかけたかどうか不安になり何度も戻って繰り返し確認します。 ・電化製品などを使用した後にコンセントをちゃんと抜いたかどうかが気になってしまい繰り返し確認します。
3.どんな診断を受けるの?
強迫性障害は非常に症状が多様であり見分けにくいのが特徴として考えられます。専門医を探して正しい診療を受けるのが望ましいと思います。 強迫性障害の診療には「薬物療法」と「認知行動療法」があります。治療には時間がかかるので医師とよく相談しながら気長に治療をしましょう。
4.発病の原因はなに?
発病の詳しい原因は分かっておりません。しかしセロトニンが影響しているのではないか?と言われています。 セロトニンは脳内の情報を神経細胞へ伝達する役割を担っているのですが、 強迫性障害の場合、神経細胞から伝達される働きに何らかの問題が生じて、十分な情報が伝達されず、脳内に機能異常が生じると考えられています。
5.強迫性障害とうつ病
強迫性障害は3分の1の割合でうつ病を伴う可能性があります。 また強迫性障害の人で、一生の内でうつ病を発症する可能性は60%〜70%に上ると考えられているので、 早い段階で診療を受ける必要があります。