1.自己愛性人格障害

境界性人格障害と自己愛性人格障害を持っている方が多いので、ここでは自己愛性人格障害についての診断基準を書いてみます。 以下に米国精神医学会によるDSM-Wの診断基準を引用いたしますので、参考にして下さい。 米国精神医学会(高橋三郎、大野裕、染矢俊幸訳) 「DSM-W-TR 精神疾患の分類と診断の手引 新訂版」医学書院、2006年より以下引用。
2.自己愛性人格障害の診断基準
○自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic Personality Disorder)
誇大性(空想または行動における)、賞賛されたいという欲求、共感の欠如の広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。
以下のうち五つ(またはそれ以上)によって示される。

(1)自己の重要性に関する誇大な感覚   
    (例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)
(2)限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。

(3)自分が”特別”であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人達に(または団体で)しか理解されない、 または関係があるべきだ、と信じている。

(4)過剰な賞賛を求める。

(5)特権意識、つまり、特別有利な取り計らい、または自分の期待に自動的に従うことを理由無く期待する。

(6)対人関係で相手を不当に利用する、つまり、自分自身の目的を達成するために他人を利用する。

(7)共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。

(8)しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。

(9)尊大で傲慢な行動、または態度。