1.家族として出来ること

ドメスティックバイオレンスの被害に遭っている方はその場から逃げられない状況に追い込まれていると考えてください。 決して大げさに言っているわけではありません。そんなに辛いなら逃げればいいじゃん。 とか、離婚すればいいんじゃない?って思いますよね。確かにその通りなのですが、その決意をするまでが大変なのです。 もう少しすればよくなるという考えや、きっと言えば分かってもらえるという考えや、ヒドクなればやられている自分が悪い事をしていると考え始めます。 悪いのは加害者の側なのに被害者は自分を責める事をしてしまいます。これらの点をふまえて次に進みたいと思います。
2.逃げられない理由その1
金銭的な問題があげられます。被害者の多くは女性であり、子供を抱えている場合もあります。 その場合、自分が働き、子供を育てていく力が無いと感じてしまう為です。 多くの場合、家庭の財布は女性が握っていますが、これらのケースの場合、男性がお金を管理している場合があります。筆者の家もそうです。 なので雲の上で生活している感じがするのです。実際に家にいくらあるのかも分からない状態で離婚はできないと考えてしまいます。 もちろん、不動産やその他の金融資産がある場合はなんとかなるかもしれませんが、難しいのが現状です。
3.逃げられない理由その2
配偶者との関係を壊したくないという事が考えられます。もちろん昔から暴力を振るっていた訳では無く。 気づいたら暴力を振るわれていたケースの方が多いでしょう。最初からそのような人なら出会うことは無いでしょう。 また子供がいる場合、親子の関係を壊したくないと思うのが人情でしょう。 しかし、多くの場合、うまく育っていくのは難しいと考えられます。 子供からすればどちらも親ですから「仲良くしてもらいたい」と思うのが普通です。 しかし、その親が暴力を振るい、一方が暴力を受けているその狭間で生活を送っていく子供の人格形成に何らかの大きな影響を及ぼしているのは事実でしょう。
4.逃げられない理由その3
言わば一種のプライド的な物も考えられます。 それは、ドメスティックバイオレンスの被害者の御家族(両親、兄弟、親戚)に心配を掛けたくない。 そしてここに一種のプライドが見え隠れします。 自分の旦那が変な人だと言えない。(素晴らしい人だと嘘をついてしまっている)別の言葉で言い換えるならば見栄という事になるのでしょうか。 これらの事を理解したうえで接してあげて下さい。
5.アダルトチルドレンについて
アダルトチルドレンと言う言葉を聞いた事があるでしょうか?これはアルコール依存症の家庭で育ち成人した人を指します。 しかし近年では機能不全家族の中で育った子供も入ります。子供の育つ環境が劣悪である場合に多く見られます。 そしてアルコール依存症になっていったり、自己を否定し続けたりしてしまいます。 このような状況を作り出さない為にも何らかの対策を講じなければいけないのです。